頭痛を伴う発熱



    (注釈)
    *1 細菌性髄膜炎は敗血症と意識障害が時間の単位で急激に増悪し、頸部硬直は高頻度である。しかしながら、近年は極めて稀な病態であり事前確率がかなり低いことを考慮して専門医への紹介を検討すべきだと考える。迷ったときには当然、腰椎穿刺はすべきだし、診断がつかなくても入院経過観察とすべきである
    細菌性髄膜炎  

    *2 当然のことであるが、頭痛を伴う発熱の原因が中枢神経系への感染とは限らない。他の臓器への感染も併行して進める必要がある
    *3 無菌性髄膜炎を疑う所見とは、眠れないほどの強い頭痛、羞明、嘔気、髄膜刺激症状など
    無菌性髄膜炎  
    *4 脳炎への進展を疑う所見とは、精神症状(軽度の見当識障害のようなもの、おかしな事を言うなど)、不随意運動、痙攣、意識障害など。軽度の症状であっても時間〜日の単位で急激に痙攣や意識障害が出現する。その早期アセスメントのために入院経過観察が必要となる
    参考文献)
    1. 髙岸勝繁「ホスピタリストのための内科診療フローチャート(第2版)」有限会社ニーニュ 2020
    2. 上田剛士「ジェネラリストのための内科診断リファレンス」医学書院 2014
    3. 杉田陽一郎 「研修医のための内科診療ことはじめ」羊土社 2022
    4. 石井義洋「卒後20年総合内科医の診断術 Ver.3」第3版 中外医学社 2024