慢性下痢

【定義】4週間以上続く下痢

【STEP1 薬剤性下痢の除外】

    ・乳糖摂取を避けて改善すれば、臨床的には乳糖不耐症と考えて良い
    ・下痢の原因となる薬剤は多い

      → 被疑薬を中止して改善すれば終了

    ・発症前、2週間以内の抗生剤使用、あるいは院内発症の下痢であればC.difficile感染症を検討する

    C.difficile感染症   

    【STEP2 過敏性腸症候群の検討】

      若年(40歳未満)発症で「腹痛を伴うが夜間には腹痛も下痢もなく、発熱、体重減少、炎症所見がない」というのが典型的。これに該当すれば以下のリンクで過敏性腸症候群を検討。該当しなければSTEP3へ

       過敏性腸症候群  

    【STEP3 下部消化管内視鏡】

      ・下部消化管内視鏡の所見を用いて鑑別をすすめる
      ・同時に内分泌疾患による下痢の除外のためにTSHとコルチゾールを測定する
        特に所見はなくとも必ず数カ所の生検を行うよう依頼する

      ・原因となる所見が無い場合は、乳糖不耐症や非代償期慢性膵炎も考える

        (顕微鏡的大腸炎)

        ・炎症性腸疾患の一亜型
        ・60歳以上の女性に多い
        ・喫煙と関連が深い
        ・薬剤ではPPI、NSAID、SSSRIが多い。疑えば中止する。多くは30日以内に寛解する
        ・下部消化管内視鏡の肉眼所見は軽微なことが多く、疑えば積極的に生検を行う
        ・ステロイドを用いることもある

          ブデゾニド 9mg 6-8週

      【STEP4 頻度の低い疾患の検討】